竹という植物について
竹の種類は何種類?
世界で約1250種類、日本国内では約670種類。アジアだけではなくヨーロッパ・アメリカなど世界中に様々な種類の竹が生えています。
竹の開花について
「竹の花は、一斉に咲き、花が咲いた竹は枯れてしまう」といわれています。
群落だけで開花する竹もあれば、全国で同じような時期に開花する竹など、種類によって違うようです。花が咲いても枯れなかったという話もあります。
開花の間隔も竹の種類によって変わるようですが、はっきりとは分かっていません。日本国内の竹の開花は間隔が長すぎるために調査が難しく、分からないことが沢山あるそうです。
近年では、2016年のスズタケの開花、2019年ごろからは淡竹(ハチク)の開花と枯れが目撃されています。真竹の開花は1960年代に起こっていて、全国の真竹の1/3ほどの竹が枯れたといわれていて、別府の竹細工の産地でも大きな影響があったとききます。
竹の植生(日本国内)
孟宗竹・真竹・女竹・淡竹・笹などは九州沖縄から東北まで生えていて、北海道では笹の種類が生えます。東北地方や北海道の笹の種類としては、チシマササダケ(根曲がり竹)が有名です。
九州沖縄では、(日本では)バンブーと呼ばれる密集して生える竹があります。これは、東南アジアの熱帯地域によく見られる竹です。熊本県の天草では土地の区切りに植えられた歴史があり、現在も見られます。※もしかしたら、日本のバンブーはすべて植栽かもしれません。
竹は何科の植物?
竹はイネ科の植物です。
竹細工・竹工芸について
竹細工・竹工芸・竹籠はいつから?
縄文時代の約8000年前の佐賀県にある貝塚から、六ツ目編み、ゴザ編み、網代編みなどの竹籠が見つかっています。
また、東京都東村山の遺跡からも竹の六ツ目編みの生地が見つかっていることから、縄文時代には全国的に竹籠を編む技術があり、食物などを入れる道具として使われていたようです。
竹細工の良さは?
- 材料の入手のしやすさ
竹は全国に生育していて入手が比較的楽です - 必要な道具が少ない
竹細工は竹割り鉈とノコギリがあれば基本の籠が出来ます - 自然に優しい
竹は植物であり、竹の部分は自然に戻すことが出来ます
竹細工・竹工芸はどこで作られている?
竹細工、竹工芸の産地は、全国すべての都道府県と言っていいです。
竹細工は生活用品、農業で昔から使われていて、それぞれの地域に生えている竹で様々なものが作られてきました。
伝統的工芸品に指定された竹の工芸品
竹細工、竹工芸は全国で行われていますが、その中には、経済産業省が「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき指定する伝統的工芸品があります。
竹を素材とする工芸は多数ありますが、木工・竹工分野から紹介します。
- 別府竹細工(大分)
- 駿河竹千筋細工(静岡)
- 勝山竹細工(岡山)
- 高山茶筌(奈良)
- 江戸和竿(東京)
- 紀州へら竿(和歌山)
- 都城大弓(宮崎)
上記以外でも、うちわ、提灯、筆管なども竹が素材の一部となっていて、マニアックなところでは、麻雀牌の背中側が竹で作られている竹牌というのもあります。
竹で編んだかごのことをなんという?
「竹籠(たけかご)」といいまが、竹籠にも沢山の種類があり
昔ながらの農業や台所で使うものでは「しょうけ、背負かご、豆腐かご、鉄鉢、洗濯かご」などがあります。また、お茶の席では花かごという、花を活けるためのかごが作られています。
現在では、竹かごは沢山の種類があり、トートバッグ、漆で仕上げた網代バッグ、サコッシュのようなショルダーバッグなどなど、竹工芸作家の一人ひとりが工夫され、現在の生活に沿う竹かごが製作されています。
さらに、地域によって、りんご籠とよばれたり、宮崎県日之影では背負かごの「かるい」が作られています。
竹製品・竹籠はどのように使われている?
竹製品は数え切れないくらい様々なことに使われています。
現代に使われている代表的なものでは、かごバッグ、蕎麦ざる、お箸などがあります。
他には
醤油を作る際に味噌樽に入れる醤油籠、塩を入れる塩籠、ご飯を保存する飯籠(めしかご)、魚を入れるビク、大きな鶏籠、鷹匠の餌入れ、カトラリーケースなどなどあります。
昔は江戸時代の浮世絵やそれ以前の絵図にも多数描かれているくらい、人々の生活には欠かせないものでした。また、正倉院にも竹を使った工芸品があります。
竹の皮は何かに使われている?
竹の皮を使う代表的なものとして、版画で使う「バレン」や、主に和装の時に履く「雪駄」があります。
竹の皮で有名なのは、現在の福岡県八女市星野村の皮白竹(かじろたけ)の皮です。その名の通り、真竹の皮よりも白っぽいのが特徴で、世界でも星野村だけで採れると言われています。
竹工芸・竹細工の始め方は?
竹かご作りは、まずは「竹ひご」とよばれる材料を作ることから始まります。
手順を簡単に書くと
- 竹を準備する
- 必要な竹ひごを作る
- 竹を編んで求める籠の形にする
- 仕上げる
以上4工程ですが、各工程はそれなりに方法や慣れが必要で、刃物も使いますので、できれば人に教わったほうが良いと思います。
器用な方はYouTubeなどでも出来るようになるかもしれませんので、どのように作っていくのか、動画で感じを掴むことからされると良いかと思います。
必要な道具については、別記事に書いていますのでご参照ください。
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